チャイルドスペース

チャイルドスペースとは

チャイルドスペースは、赤ちゃんの動きや感覚に働きかけ、順調な発達を後押しするための新しい手法です。

子どもの発達は1つ1つのステップが動きを通した学びの過程です。

赤ちゃんは、動きや感覚を通してたくさんのことを学んでいます。そして赤ちゃんの時の動きは、大きくなってからのすべての運動の基礎となります。また、運動だけでなくコミュニケーションや手先の器用さ、学校での勉強などにも深くかかわっています。ですから、発達の動きをもらさずにたっぷりと体験しておくことが大切になってきます。

人間は生まれてからいくつものステップを通って立ち上がり一人で歩けるようになります。それは誰にも教えられずに赤ちゃんが自分で動きを通して学んだ成果です。多くの子どもは、必要な発達過程を自分で探し出して歩けるようにまでなりますが、時々、大事なステップをとばしてしまうこともあります。

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例えば「ほとんどハイハイしなかった」というお子さんの話を聞かれたことはありませんか。もちろんハイハイをしなくても立ち上がることも歩くこともできます。

しかし、ハイハイのステップを「飛ばしてしまう」とその後、成長していく過程において適切でないからだの使い方をするようになることがあります。転びやすい、捻挫しやすい、靴底の内側だけが減る、腰痛など、大人向けのフェルデンクライス・メソッドで対応するのですが、より適切なからだの使い方を学び直すには、それなりの年月が必要となることもしばしばです。このとき、ハイハイをしっかりやっていると、大きくなってからのいろいろな運動~走る、ジャンプする、バランスをとる~が楽に上手にできるようになります。また、ハイハイは移動のためだけにやっているのでなく、歩くときの腰から脚の動きの事前練習、体の左右を別々に使うこと、目で見たものに向かって進むことなど、次のステップにつながるたくさんのことを練習しているのです。

そして、このような発達の運動~体の動きは動くことだけでなく、考えること、体で感じること、心で感じること、学校での勉強、日常の生活、コミュニケーションをとることなど、その後の人生で人間としてのあらゆる活動の基礎になります。

その人の生まれ持った能力を最大限に引き出し、より生き生きとした人生を送る。そのために、からだの使い方を学ぶ最初の時期にチャイルドスペースの手法が役に立つと確信しています。

創始者 ハバ・シェルハブ博士

ハバ・シェルハブ博士

ハバ・シェルハブ博士

イスラエル生まれのハバ・シェルハブ博士(1935-)は、フェルデンクライス・メソッドの世界的な指導者の一人です。ハバ博士は長年のフェルデンクライス・メソッドでの経験を元にしてチャイルドスペースを創始しました。

ハバ博士は、フェルデンクライス博士の最初の弟子の1人です。イスラエルの国内外でフェルデンクライス博士のアシスタントを勤め、その後は現在まで教育責任者として世界各地の指導者養成講習に携わってきました。イスラエルにおいては、医学系のセンター[*1]でフェルデンクライス・メソッドを教え、現在はドイツ・フェルデンクライスセンターのセンター長もしています。また、英語やドイツ語に翻訳されている著書もあります。


アメリカのボストン大学において「フェルデンクライス・メソッドを使った脳障害のある子どもたちとの関わり[*2]」という修士論文を書き、その後ドイツのハイデルベルグ大学の博士課程[*3]で、フェルデンクライス・メソッドが学習過程やその他の子どもに関する問題に与える影響を研究しました。

そして、このような研究と40年以上にわたるフェルデンクライス・メソッドの経験の中から、成人に見られる多くの問題がその人の運動発達の過程にあることを見いだしました。そのことが発達を見守り後押しするChild’Space Chava Shelhav Methodの開発につながりました。現在は世界各地で精力的にチャイルドスペース指導者の養成に取り組んでいます。

*1: Seminar Hakibbutzim, the Wingate Institute, the Asaf Harofe Medical Center’s Complementary Medicine Services, and child development centers
*2: Working with Brain Damaged Children Using the Feldenkrais Method, 1989
*3: the University of Heidelberg in the Departments of Sociology and Life Sciences

関連リンク

創始者 ハバ・シェルハブ博士のサイト
http://www.feldenkrais-shelhav.com/
https://www.facebook.com/ChildSpace.Israel

レッスンの様子

1.チャイルドスペースの紹介

英語のナレーションが入っています。後日、日本語字幕の入ったものをアップする予定です。

2.ハバ先生のレッスンの様子

1)10ヶ月のお子さんとお母さんとのレッスンの様子です。チャイルドスペースでは必ず親御さんと一緒にレッスンをします。最初は落ち着きのなかったヘンリー君がハバ先生によるからだへの働きかけにより次第に落ち着いてくる様子がみえます。またお母さんがヘンリー君に接する方法を学び、変えたことで、ヘンリー君は自分で試行錯誤してつかまり立ちを練習することをうながされたようです。

2)寝返りが上手にできるけれど、次の段階であるずり這いをしようとしない9ヶ月の男の子。9ヶ月はもう膝をついたハイハイをしてもよい時期です。ハバ先生は赤ちゃんが興味を持ちそうな物を使ってヒントを与えています。次に足で床を押すようにうながして、赤ちゃんの反応を待ちます。赤ちゃんは自分でいろいろ試してみて、やがて自分の足で床を押したら体が前に進みおもしろそうな物に手が届くことを理解します。楽しそうですね。

体験した方の感想

お母さんから

生後2ヶ月からチャイルドスーペスを体験させていただきました。
初めての子だったので、遊びもどうしていいか分からなかったのですが、子供の成長に合わせて遊び方を教えてもらって、良かったです。
実際にぽんぽんむぎゅーなど教えて頂いた事をやってみると子供の反応が変わったり、できなかったことが出来るようになったり、子育てが凄く楽しくできました。
また、大人だと当たり前に出来ることがこんなキッカケから出来るようになるんだと、非常に勉強になったとともに、子供の成長に感動しっぱなしでした。
子育てを楽しくしてくれるチャイルドスペースの存在をたくさんのお母さんに知ってもらいたいと思います。
(30代、松江在住、生後2ヶ月より週に1回のレッスンを継続)

地元保育園での研修より(一部抜粋)

実際に体を動かして赤ちゃんが立つまでの流れを体験して、人間の体がよくできていることや生まれたばかりの赤ちゃんの力は本当に強いと感じました。
私自身、小さい頃、はいはいをとばしてつかまり立ちをして歩き始めたそうで、小学校の低学年までは本当によくこけて、全身がいつも傷だらけだったそうです。はいはいの大切さはもちろん、発達のやり直しができるということはとても驚きました。
(20代保育士)

赤ちゃんというのは自然に発達していくもの…とずっと思っていましたが、ここ数年、発達がすすまない赤ちゃんや子どもたちに出会うことが多くなり、自分自身が混乱していました。赤ちゃんが身近に関わる「大人」の存在が、赤ちゃんの安定となり、赤ちゃんにいろいろな環境をつくってくれる大切な存在となるのですが、「大人」がしっかり伝えないと赤ちゃんもきちんと様々なことを身につけていけないことが分かりました。
発達がすすまない子に少しでも変化があることを期待し、続けていきたいと思います。
(50代保育士)

発達をきちんと認識または意識することで、子どもの内面を知ることができ、それがその子を見るうえで保育の幅を広げることにもつながる気がしました。
研修の翌日、午睡時、いつものように気持ちの切り替えができず“眠り”に身も心も向かえない数名の子どもたちにボディータッチをしてみました。とたんに穏やかな表情になり眠りに気持ちが向かっていく子どもたちの姿、言葉で伝えても全く耳(心)に入らない子どもが”触れる”ことで瞬時に気持ちが落ち着き安定へと向かっていきました。
(50代保育士)

高尾明子

チャイルドスペース松江主宰
チャイルドスペース国際公認指導者
フェルデンクライス・メソッド国際公認指導者

私は1987年にフェルデンクライス・メソッドと出会いました。それはまだ日本に入って間もないころ。本当に日本のフェルデンクライスの黎明期でした。それから、日本にフェルデンクライスを紹介してくださった故・安井武さんと日本で初めて有資格者としてレッスンをしてくださったドロン・ナボン(Delon Navon)さんのレッスンを受け続けました。

そして、待ちに待った日本初の指導者養成講習が1997年に東京で始まりました。最初の1年間を日本で学んだ後、オーストラリア・ブリスベンに“転校”し、2000年3月に4年間の課程(160日)を修了しました。その後はフェルデンクライス指導者として開業し、島根県松江で0歳〜80歳代の方々とグループレッスン(ATM)や個人レッスン(FI)を続けています。

そして、あるきっかけからハバ博士がチャイルドスペースという手法の講習を始めていることを知り、子どもが大好きだった私はすぐに講習に参加しました。2011年からオランダ・アムステルダムに通い始めた講習が2013年に終わり、日本人初のチャイルドスペースの指導者資格を取得しました。現在は、地元の島根県松江で赤ちゃんや子どもとレッスンをしながら、松江をはじめ東京や大阪、その他日本各地で大人向けのワークショップを開催しています。

その活動の中で、“健常な”お子さんも思いがけないきっかけで発達のステップを飛ばすことがあり、あとになって意外なところに影響が出ていることを知り驚いています。また、保育園、幼稚園、学校の先生方は「子どもの体がおかしい」と気づいていらっしゃるのですが、それに対する具体的な方法がなくお困りであることもわかりました。
子育てをしていらっしゃる親御さんや子どもと関わる専門職の方々に、そして何より「困っている」子どもたちにチャイルドスペースでお手伝いできる場面がたくさんあると感じています。発達に特別な支援が必要なお子さんはもちろんのこと、どのお子さんもなるべく早く発達のつまずきや遅れに気づいてあげてサポートを始めることの重要性を日々痛感しています。

より多くの方々にこのメソッドを知っていただき、より多くのお子さんがこの手法の恩恵を受けられるように願っています。
Facebookにて日頃の活動の様子をご覧いただけます。
http://on.fb.me/1K3UHa4

高尾明子

高尾明子

Akiko Takao:松江生まれ。フェルデンクライス・メソッドの指導者講習(オーストラリア)修了後、2000年に開業。2013年にはチャイルドスペースの指導者講習(オランダ)を修了し日本人初のチャイルドスペース指導者となる。以後、松江にて0歳〜80代の方々との個人レッスンや保育園、幼稚園などでワークショップを行っている。また、東京、大阪などでもワークショップを開催。非定型発達の子どもたちとの活動にも力を入れている。国際基督教大学、お茶の水女子大学大学院卒。日本フェルデンクライス協会、日本赤ちゃん学会、日本感覚統合学会、発達性ディスレクシア研究会会員。